みなさんいかがお過ごしですか?
ぼくは絶好調中畑清です。
みなさんには全然全く関係ない事なんですが、先週祖母が他界しました。
享年89歳
僕の中では大往生だし、これ以上無い祖母らしい幕引きでした。
今でも思い出せば涙が溢れるものの、三途の川から『なに泣いてんねん?賢なるで。』って言ってそうなんだ。
なんでこんな事をこんな所に書いたかというと、僕にとって祖母という存在はとても偉大だった。
どれほど偉大であったかを皆さんに紹介したかったから。
僕は母も父も忙しい人だったので、子供の頃はよくわざわざ神戸から祖父と祖母が遊びに来てくれて一年の半分ほどを一緒に過ごした。
とてもファンキーな祖母で、人類みな友達なのかと思うほど色んな人に話しかける割に、別れると途端に悪口をこぼすという子供にはとても悪影響な祖母でした。
よく二人で刑事物のドラマを鑑賞してました。
中にはあまり面白くないモノのもあり、すると祖母は口元がモゴモゴしだす。
『なにしてんの?』と僕が訪ねると『つまらんからヨダレでシャボン玉を作り出す研究してんねん』と言い放ち、口から泡を吹き出す。
またある時はいきなり鏡を顔の前に置きだしたので訪ねると、『暇やから変な顔の練習してんねん。10歳の時から毎日やで』と言い出す。
おかげで70歳を過ぎたあたりから入れ歯を着用していたのだが、そんな極限の状態から生み出された上の入れ歯だけを外して作られるおばあちゃんの変な顔を超える変な顔を僕は見た事が無い。
いろんな友達に聞いたが、やはり普通では無いおばあちゃんであった。
小学生の後半からは、夏休み等になると僕は一人でおばあちゃんの家に遊びに行った。
おばあちゃんの家は神戸の須磨の海岸沿いにあり、子供には堪らないスポットだ。
朝は泳ぎ、昼から夕方は釣りに出かける。
鯵を釣って帰るとおばあちゃんが南蛮漬けにしてくれる。
僕はこの南蛮漬けが大好きで、未だこれを超える魚料理は知らない。
ちなみにおばあちゃんは料理が得意ではない。
おじいちゃんが生前こんな事を言っていた。
『お前のまずい卵焼き食うとったらサンクスのお惣菜コーナーにある卵焼きがごっつい旨く感じるねん』と。
普通の人なら怒るか泣くかであるが、うちのばあちゃんはちょっと違う。
『あんたええ人やな。それやったらそれでええやん。』と言い次の日から毎日サンクスの卵焼きをおじいちゃんに出していた。
祖父も祖父で、本当にそれを毎日美味しそうに食べていた。
僕はよくその卵焼きを買いに行かされたものだ。
僕の食事も同じようなもので、おばあちゃんの唯一の得意料理「お肉の甘炊き』を毎日食べた。
あと『味噌入れすぎて塩っぱくなったからネギいっぱい入れといたで〜みそ汁』と。
でも僕はおばあちゃんの料理が大好きだった。
母に見つかると体に悪いからと言い食べられなかった。
だから僕は一人でおばあちゃんの家に遊びに行くのが大好きだったのかもしれない。
二人で話していると急にこんな事を言い出した。
『こーちゃん、二人でコンビ組んで吉本入ろうか?売れるで〜絶対。おばあちゃんに任せとき』
ぼくは『でも学校あるし』とつまらない返しをする。
すると『大丈夫やって!ごっつい売れてそれで一生食べてけるで〜、おばあちゃんもう死ぬだけやから全部こーちゃんにあげるは』と。
おばあちゃんてこんな事孫に言っていいのかな?すごいでしょ?
うちのばあちゃんは人とよく言い争う。
どんな人でもおばあちゃんに勝てる人はいなかった。
なぜならおばあちゃんが繰り出す最後の一手が凄かったからである。
でもこれは常人には決して真似の出来ない秘技である。
その名も『舐めた指を相手の頬につけてやる』作戦である。
これで僕のおじさんは、おばあちゃんと喧嘩しても絶対に負けていた。
おばあちゃんは世の中というものを色々な角度で僕に教えてくれた。
僕のなかで全てが生かされている。
その中でも僕が大好きな言葉をみんなにも教えようと思う。
『アホが一番。アホに勝てるものはおらん』
僕が何かに怒ったり、泣いているとおばあちゃんはこう言った。
『あんた何してんの?アホちゃう?かしこなるで〜』ってね。
大好きなおばちゃんであった。
生前こんな事を言っていた。
僕が『おばあちゃん幾つだっけ?』と聞くと、『85歳です』と答える。
すると横から僕の母が『あんたまだ83歳やで』と答える。
すると『どっちでもええやん』と答える。
ばあちゃんは『80歳過ぎたら85歳やって言うとけばどれも近いやろ』とこうくるわけだ。
あっぱれである。
そこで僕はこう言った『じゃあ90歳になったら95歳って言うの?』
するとばあちゃんは『そんなに生きてどないすんの?』って普通に言う。
すごい悲しくなった。
するとその後にこう続けた『私の夢はあんたと吉本行くことか、寝てるうちに死んでる事なんやで』ってね。
大好きなおばあちゃん。
享年89歳にして大好きなベットの上で永遠の眠りについた。
完璧な人生であったと僕は思う。